10月29日から11月3日の日程で、Cadaver & AAPツアーに参加しました。今年はAAPがハワイ開催であり、CadaverコースにAAP参加が組まれたスケジュールであったことから、早くから定員が埋まるほどの人気でした。5-D JAPANのメンバーは、AAPのみ参加の先生と、Cadaverにも参加する先生とで、総勢50名以上の大きな団体となりました。
Cadaverコースは、初日の講義と実習の2日間に渡って行われました。まず驚いたのは、ハワイ大学の設備が素晴らしかったことです。無影灯の下で実習を行うことができ、非常に新鮮な御遺体の頭頚部を提供して頂きました。また出来るだけ無歯顎に近い方を選んで頂いたため、実習に先立って抜歯を行う必要もほとんどありませんでした。
実習は非常に中身の濃い内容です。上顎洞挙上術、インプラント埋入、スクレイパーを用いた自家骨採取、結合組織移植、GBR(チタンメッシュのベンディングを含む)といった多岐に渡り、僕は丸1日を費やしても時間が足りませんでした。また時間の余った先生は、オステオトームの実習やブロック骨採取、抜歯即時埋入など希望の実習を行うことも可能です。2人で1体の御遺体を左右に分かれて解剖しました。インプラントの埋入キットが各組に完備されており、PIEZOも用意されていました。それぞれのテーブルには5-D JAPANの講師の先生がライターとして付き添いをして頂けるので、デモを見学したり、自分の術式を確認して頂いて、貴重なアドバイスをもらいました。
減張切開や洞粘膜の剥離、緊密な創閉鎖の確認など、模型では決して味わうことのできない感覚をつかむことができ、改めて今回の実習の意義を感じました。
図説 カダバーコースの受講生と5-D Japanの講師陣
ホテルはヒルトンハワイアンヴィレッジで、26階から見る夜景は圧巻です。ツアーに参加する先生方が揃っての夕食や、ホテルの部屋から眺める景色は、リゾート気分に浸れる楽しい時間でした。
AAPは最終日にチームアトランタのMaurice Salama、David Garber、Christian Coachman先生のGeneral Sessionが行われました。彼らは4つの文献を提示して、講演が進んでいきました。これらの内容は①2007年のPRDに掲載された5-D JAPANの船登先生の文献を引用し、抜歯即時埋入はこれに従って行うこと②2008年のPRDで石川先生が報告した、インプラント治療による多数歯欠損症例のなかの審美領域において、ポンティック部の歯槽堤保存の目的のためにRoot submergeが有効であること③2009年にCoachman先生が報告したピンクマテリアルを用いた上部構造の発表。Coachman先生は約4年間チームアトランタで技工士として働き、現在はブラジルで歯科医師として開業しています。④2010年の最新版PRDで石川先生が発表されたように、審美エリアにおける骨造成を強調されていました。
また日本代表として宮本泰和先生がKirk Pasquinelli先生らとともにGeneral Sessionで、おもに軟組織を用いた歯槽堤増大と歯間乳頭の再建について発表され、すばらしい内容に会場は大盛況となっていました。
図説 AAPジェネラルセッションのひとこまTeam Atlanta Dr.Maurice Salama, Dr.David Garber ら
最終日は夕食会とともに、5-D JAPANの講師の先生方によるAAPの総括と、Dr. Maurice Salama による特別講演が行われました。Maurice先生は過去10年、再生療法やインプラントにフォーカスが当たりすぎた歯周病学会を危惧して、歯周治療を再考するというテーマで講演されました。講演後は立食の夕食会が行われ、記念撮影をしたり、親睦を深めて最終日の夜を終え、翌日日本へと帰国しました。
図説左から湯口先生、モーリス先生、筆者(山下)、船登先生
余談ですが、後日5-D JAPANの事務局から勤務先にCertificateが送られてきました。今までいろいろな実習に参加してCertificateの証書を頂きましたが、これまでで頂いた中で最も立派な額に入っており、どこに飾ろうかと悩んでいます。
今回実習を通して様々な勉強をさせて頂くと同時に、全国から集まった向上心の高いたくさんの先生方と知り合うことができました。今後は皆さんと5-D JAPANの総会などで必ず顔を合わせることがあると思います。いい刺激を与えあう同士の先生方と出会うことができ、非常に貴重な経験をする機会を与えて頂いたことを感謝致します。
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