自家歯牙移植の適応症・術式・有効性が大いに語られる
さる3月4日(日),東京・シェーンバッハ・サボーにて、5-D Japan 第4回総会が、300名以上の参加者を集めて盛大に開催された。
午前に行われた会員発表には、安田裕介氏(奈良県開業)、神津聡氏(東京都開業)、中川雅裕氏(東京都開業)、丹野努氏(栃木県開業)が登壇。
インプラント補綴を用いた咬合再構成のポイント、部分欠損や遊離端欠損などに的確な補綴処置を行う際の各種留意点、自家歯牙移植とインプラント埋入を併用した症例の治療手順と手技、部分矯正とインプラント治療を併用した症例における治療計画立案のポイントなどについて講演した。
午後から行われた症例討論会では、月星光博氏(愛知県開業)と5-D Japan ファウンダーである福西一浩氏(大阪府開業)が、自家歯牙移植・意図的再植のこれまでの歴史、適応症、術式、長期予後などについて語った。
講演に先立ち月星氏は「自家歯牙移植は非常に有効な治療法であるが、適応症は限られており、テクニックセンシティブである」と述べ、慎重に取り組むべき術式である旨を強調。
その後は豊富な症例を供覧しながら、患者の年齢、ドナートゥースの状態といった因子と自家歯牙移植の予知性の関係、治療を成功に導くための手技上の留意事項、治療の有効性などについて語った。
また、福西氏も症例を通して適応症・術式のポイントについて詳説するとともに「Before selecting implant」との考え方から、より保存的な治療法としての自家歯牙移植の意義と重要性に言及した。
さらには、将来的にインプラント治療が必要とされる患者への前段階の治療として自家歯牙移植の手技を応用した症例なども供覧し、聴講者の大きな関心を引いていた。
満席の会場は終始活況を呈しており、自家歯牙移植に対する臨床医の期待の大きさが伺えた。そして、広範な知識・技術を有する臨床医が集まりながらも、つねに的確な問題提起・テーマ設定を行いながら活動を続ける本グループの特長が色濃く表れた総会となった。
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